☆翼状片とは?
白目の粘膜(結膜)から黒目(角膜)にむかって厚みのある膜状の組織が侵入する病気のことです。病変が小さいうちは視力障害はありませんが、黒目の中心に向かって伸びてくると、充血が目立ったり、乱視がひどくなったり、視野の妨げになり視力が下がってしまいます。
☆原因は?
はっきりとした原因はわかっていませんが、日差しの強い屋外で仕事をする人(農業、漁業など)や比較的暑い地方で暮らす人にできやすい傾向があります。
☆どんなとき手術をするの?
翼状片が進行して瞳にかかってしまうと、手術をしても黒目の中心近くに傷が残ってしまい、視力の回復が難しくなってしまいます。
しかし、まだ若いうちに手術をするとすぐに再発してしまいます。手術は、病状を見ながら(翼状片が瞳にかかる前に)年齢も考慮してタイミングを決めます。
☆手術の方法は?(結膜有茎弁移植術)
1.洗眼と消毒をして、目薬(表面)と注射(局部)の麻酔をします。
2.翼状片を瞳に近いほうから、慎重に黒目の表面(角膜)からはがしていき切除します。
3.角膜の下方(または上方)の正常な粘膜を根元を残して切りとり、翼状片をはがしたあとの白目の部分を覆うように縫いつけます。
※手術時間は約1時間です。
☆術後は?
術当日は、化膿止めと痛み止めを飲み、傷口からの出血を防ぐためになるべく安静にします。
眼表面の手術のため、自分で傷を治す力が強く働き、涙がたくさん出ますが、心配ありません。涙の中に、傷を感染から守り、傷を治すための新しい細胞に必要な成分が含まれています。
翌日から眼帯を付け替えながら、傷の治り具合をみて眼帯を外す日を決めます。